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釣り人とバス停、長髪のやせ男
去年の夏に2ちゃんねるの文芸創作板の「よくわからんお題で次の人がSSを書くスレ」で発表した作品です。思い出したように読み直したら、割とうまく書けてたから、このまま膨大なログの中に埋もれさすのはもったいないなと思ったので、自分のブログに再掲することにしました。
自分が書いた作品っていうのが証明出来ないのがもどかしいところだけど、まぁ、たいした問題にもならないと思うので。
このスレは気に入っていて、他にもいくつか投稿した作品があるけど、あまり自己評価がよくないので、そっちはゴートゥーヘルしてもらうことにしますw

では、以下転載です。



よくわからんお題で次の人がSSを書くスレ2
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1213581632/





38 名前: 釣り人とバス停 1/2  Mail: sage 投稿日: 2008/09/18(木) 17:49:59
ええ、ちょっくらくだらん話に付き合ってもらおうかと思っとるわけですがね。
とある所に、とてつもなく大きなお寺があった。そりゃあ立派なもんだ。なんせ、天下に名だたる浄土宗でも五本指に入ろうかという代物だ。
毎日わんさと観光客がやってくる。金は天下の回り物たぁよく言いますが、集まる所には集まるもんだ。こりゃあ笑いが止まらねぇってんで、ついに寺の真ん前にバス停まで立てちまう始末でさぁ。
ところが、ある日そのバス停の前に奇妙な男が現れた。
キャップにサングラスにライフジャケット、手には釣竿。釣り針をアスファルトの道路の上に寝そべらせてやがる。世に釣り人は多かれど、こんなキテレツなツリキチはついぞ見たことがない。
見かねた住職が寺から飛び出した。
「ちょっとあんた、一体何やってるんだ。ここは由緒ある寺の前だぞ。何のつもりか知らんが、他の客の迷惑だから、さっさとその釣竿をしまいなさい」
「いやぁ、ちと知り合いから、いいネタが入りましてね。穴場があるってんで、こうやって汗水たらしながら、糸を垂らしてるってわけでさぁ」

39 名前: 釣り人とバス停 2/2  Mail: sage 投稿日: 2008/09/18(木) 17:54:58
男の言うことはさっぱり要領を得ない。住職が更に問い詰めると、男はこんなことを言い出しやがった。
「いやぁ、でも、ここ、釣れるんでしょ?」「何が?」
「いや、何って。バスが」
・・住職は絶句するしかない。なんせ、乗り物のバスとブラックバスを勘違いするおおうつけだ。
それはともかく、釣り針が他の客に引っ掛かりでもしたら大変だってんで、住職が男を取り押えようとした。
その時!道のはじっこの方からバスがやってくるじゃありませんか!
「お、来た来た!」
男が、えいやっとばかりに大きく釣竿を振りかぶる!住職は慌てて、その体につかみかかる!
・・当然二人はもみくちゃになりまさぁな。もうてんやわんやだってんで、周りにいた観光客達も、なんだなんだと二人を取り囲みだした。
そうこうするうちに、その群衆の横をバスはすーっと走っていっちまいました。
ため息をつきながら男がキリキリとリールを巻いていくと、なんと住職がすすっと浮き上がっていくじゃないですか。よくよく見ると、釣り針は住職の袈裟に引っ掛かっている。
住職はそのツルツルの頭まで真っ赤になって「下ろせ!下ろせ!」と怒鳴っております。期待の外れた男は、肩を落としてこう呟いた。

「ちっ、今日もボウズか」

どうも、お後がよろしいようで。






53 名前: 長髪のやせ男 1/2  Mail: sage 投稿日: 2008/09/21(日) 16:12:17
私は惑星間をまたいで活動する、フリーの文明崩壊請負人だ。
今日は、私が若い頃に取り組んだ仕事の内容を紹介するとしよう。

フェミーナと呼ばれるその惑星の種族は、いわゆるヒューマン型の体躯をしていた。
唯一違ったことは、女権社会であったということだ。
女性は男性に比して強靭な肉体と、豊富な知識、そして権力を有していた。
男性は愛玩用、もしくは生殖用としてのみ機能したため、その価値はその容姿によってのみ計られていた。
特に好まれたのは、長髪のよく似合う痩せた男である。
これは、そういったタイプの男性ほど精力が旺盛であり、筋肉が引き締まっているため使い手があることが多かったからである。

いくら文明的に私がはるかに進んでいるとはいえ、何億人もの生命を一人で刈り取るのは効率が悪い。
よって、私がこの星で行った作業は次の一点のみである。
男性間にのみ、「短髪のでぶ男は優れている」という認識を植え込んだのだ。
これには、遺伝子構成認識装置、および1000tjものハイパワーアンプが役に立った。
この装置で自動的に男性を識別し、それらの男性のみが受信できるように設定したデジタルワームで思考を改ざんしたのだ。
三日間の電撃作戦の後、私の計画通り、男性は女性の管理下に収まらないようになっていった。
女性がどれだけ圧力をかけても、私に操作された欲望に従って、男性は際限なく太り、そして禿げていった。
女性と男性の間の交流は断絶し、女性は種付けの道具を失った。

54 名前: 長髪の痩せ男 2/2  Mail: sage 投稿日: 2008/09/21(日) 16:18:11
二十年後、フェミーナの人口は十分の一にまで激減したことを確認したのち、依頼の完遂を宣言した。
女性たちはもれなく、依頼者の奴隷となるだろう。
今まで散々虐げてきた男性から愛玩動物として扱われるのだから、その屈辱は並大抵のものではないだろう。
気の毒だが、これも宿命とうけいれてもらうしかない。

さて、先日、私に次の依頼が舞い込んだ。
儲かるのはいいことだが、いかんせん、忙しすぎる。
しかも次の惑星は、アースという、50億人規模の惑星だ。
手を抜きたかった私は今回も、フェミーナのケースを応用することにした。
そうだな、今回は二次元への執着心を喚起することにしようか。
性欲を非現実な領域に求めるようになれば、生殖の手段は断たれ、人口は減少していくだろう。
しかもアースの人間は、そういった病的な偏執を抱く者を『オタク』と呼んで忌み嫌うらしい。
ますます好都合だ。

後日記:
植え付けは成功した。
あとは二十年後の結果を待つだけだ。


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