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書籍交換サービス『Bibuly』の不安要素
先日、7月18日に書籍交換サービスサイト、『Bibuly(ビブリー)』のβ版が公開され、相次いでネットメディアを中心に報じられています。
http://www.bibuly.com/

意外な感じでしたが、ざっと調べると、物々交換はウェブサービスとしてはそんなに珍しくないみたいです。

Gigazine『国内のオンラインで物々交換できるネットサービスまとめ』

で、このサイト独自のウリとして、ウェブ上で自分の本棚がもてるということらしい。利用者は、自分の持っている本と欲しい本の二種類の本棚を作り、他の利用者に公開でき、この本棚を中心に、交換が進められるという仕組みになってます。また、作った本棚はブログパーツとして使うことも出来ます。

ゆくゆくはCD、DVD、ゲームへとサービスを拡大していくらしく、
このことから、制限された小遣いをやりくりするための知恵として子供を中心に発展してきた「おもちゃの貸し借り文化」というコンテキストから、このサービスが発生したのかな、と個人的にはみていて、小3のときに渋谷くんにFF5を借りパクされた思い出とか、小5のときに、大好きだった河合さんからミスチルのCDを借りた思い出とかが呼び起こされて、興味深かったりします。
ということで、是非、運営さんには頑張ってほしいところなんですが、実際にサービスを三日間ほど体験してみたところ、このサービスが広く世間に受け入れられるのは、かなり難しい気がします。

課題はいくつも見えるんだけど、大きいところだけ挙げてみます。



■本棚作りの煩わしさ

まずは、基本的な設計部分からひとつ。
先述のとおり、本棚を作って公開できるのが、このサービス独自の魅力なんですが、本棚を構築するのが、面倒くさい。
一冊を登録するのに、大体2,30秒くらいかかり、しかもその時間を短縮する工夫もほとんどない。交換してもいい本が100冊あるとして、それだけでも一時間程度時間がかかることになります。
例えば20巻で完結するコミックスを登録するために同じシリーズのマンガを一冊ずつ登録しなくてはいけないことを考えると、ストレスがたまります。
単に本棚を自慢するだけの機能ならば、シリーズものを一冊だけ登録しておいてもいいんだけど、交換したい場合には、ちゃんと1~20巻まで登録しておかないと意味がないので、やはりその手間は欠かすことができないだろうし。
あと、同じ基礎的な部分でいうと、各ページのリンクの貼り方も不便だったりします。
何よりもまず、こういう単純な使い勝手の部分が見直されるべきだと思います。


■物々交換のメリットがまったく魅力的に広告されていない

・古本屋に安く買い叩かれるのはすっきりしない
・ネットオークションは出品の手間が面倒
・本当に必要な人に受け取ってほしい

という視座から、このサービスを作った旨が運営ブログに書かれているんですが、これによると、要は時間的な効率、金銭的な利益、本に対する思い入れのトレードオフで、古本屋、ネットオークション、物々交換の三方式を選択してくださいという話になるんだけど、個人的な感覚として、わざわざ手間をかけて交換することにこだわる人は少ないと感じます。いまどき、そこまで本に思い入れを持ってる人って希少価値高い。
かつ、逆にそういう人は、こういうサービスじゃなくて、自分の身近な人とのコネクションを使って本をさばこうとするでしょう。例えば、同じ趣味を共有している友人だったり、同僚だったり。
あえて手間暇かけて、送料も負担して、見知らぬ他人と本を交換することの魅力が伝わらないから、わざわざこのサービスを使おうという気が起きないですね。



考えられる勝ち目としては、本棚をモチーフとした、自己表現ツールの一種としてビブリーが流行することですね。
唐突ですけど、本棚ってある意味で戦場で、整然と参考書を机に並べておくことで、勉強家であることをアピールしたり、ファッション誌を置いておくことで、自分の流行への関心度をアピールしたり、という意識を誰もが持っているはずです。
同じマンガでも、ワンピースが並んでいるのと、NANAが並んでいるのではまったく印象が違います。サブカル好きの人はよしもとよしともを並べるし、思想好きの人はゴー宣を並べるわけです。
なので、ブログパーツとしての利用というのは、本棚とブログという、自己表現の機能がばっちりかみ合ってて良い機能だと思います。
その方向で展開していって、付属的に交換機能がついてくるというのが、適当じゃないかというのが、個人的な考えです。

今後も、たまに動向に注目してみます。
Comment
≪この記事へのコメント≫
ご意見ありがとうございます。
突然の書き込み失礼致します。
ビブリー運営事務局です。

弊社サービスについて、考察頂き誠にありがとうございます。
どうしても運営者自身では気づかない点がありますので、こうしたご意見は大変参考になります。


>■本棚作りの煩わしさ
>一冊を登録するのに、大体2,30秒くらいかかり、しかもその時間を短縮する工夫もほとんどない。

おっしゃる通り、現状では多数の本を登録する際の労力がかなり掛かってしまいます。
これについては弊社でも問題点と認識しておりますので、一括で登録できる機能の追加を検討中です。


>■物々交換のメリットがまったく魅力的に広告されていない
>古本屋、ネットオークション、物々交換の三方式を選択してくださいという話になるんだけど、

おっしゃる通り、古本屋、ネットークション、物々交換はそれぞれ長所・短所がありますので、われわれとしてはユーザーの方に使い分けて頂ければと思っております。
現状日本では古本屋、ネットオークションが定着しておりますが、それに次ぐ新しい選択肢として物々交換を広めていきたい考えです。


>個人的な感覚として、わざわざ手間をかけて交換することにこだわる人は少ないと感じます。
>あえて手間暇かけて、送料も負担して、見知らぬ他人と本を交換することの魅力が伝わらないから、
>わざわざこのサービスを使おうという気が起きないですね。

この点に関しては、われわれも実際サービスを開始するまで半信半疑だったのですが、
既にお一人で5回以上交換しているかたもおります。

私自身もビブリーを使ってみて思うのですが、実際に交換申請が来て相手の蔵書を選ぶというのは結構楽しいものです。
また「欲しい」と申請を出した本がマッチングして交換成立となると嬉しさも倍増します。

自分にとって不要な本でも、どこかの誰かには必要にされているんだ、という実感が得られます。
確かに発送の手間というのは面倒なのですが、月に1、2度なら使ってみてもいいと感じてもらえると思います。

こういった魅力を訴求するページなり、コンテンツを今後作成したいと思います。


>考えられる勝ち目としては、本棚をモチーフとした、自己表現ツールの一種としてビブリーが流行することですね。

本に限らず、自分の所有している物をすべて登録・公開し、モノを通じた総合コミュニケーションサービスとして展開し、そのサブ機能として物々交換も、という形は面白いと思います。

当面は物々交換サービスを全面に出す形を取りますが、今後ういった方向性に進むのも可能性としては十分あり得ます。


この度は詳細にレポート頂き、ありがとうございました。
またお気づきの点、ご提案などありましたらご連絡頂ければ幸いです。
2007/07/25(水) 19:00:27 | URL | ビブリー運営事務局 #8m2lW1OE[ 編集]
TBを頂戴しましたがうまく送信できませんので
まずはTB頂戴しましたこと御礼申し上げます。貴サイトのURLを記載しTBしたのですが、送信ができないようなので、コメントにて。

私は、β版以前に限定した形で登録願いされ6月中旬から開始しているユーザーです。その際は、本棚がもてるなどの機能はありませんでした。事務局の方が既に私の本棚をβ版に合わせて、作成されていたため、本棚作成にそれ程、時間を要するとは知りませんでした。

今も本棚があったとしてもサービスの大きな魅力に繋がるとは思っていません。このようなサービスこそ極めて簡素でよいと思っています。本棚というビジュアルだけしか訴求していませんので。

一度、私の保有している書籍交換依頼が来ましたが、私の場合、経済関連が大半で、残念ながら、相手先の書籍、あるいはジャンルに魅力が無く、残念ながら交換までには至りませんでした。また交換するとしても、これは私だけの意見かもしれませんがある程度、価格帯も同じものを交換したいのが人情というものでしょう。

今後、Bibulyが発展する要素としては、やはり書籍のジャンルごとにユーザーが選別、ユーザーを選別できる機能が不可欠と思っています。ジャンルが合致すればある程度の価格差も気になりません。

それこそがマッチング機能としてまず準備すべきものではないかと考えています。
2007/07/25(水) 23:05:57 | URL | 小島愛一郎 #mQop/nM.[ 編集]
コメントありがとうございます
>ビブリー運営事務局さん
詳細な意見、ありがとうございます。
SNS的な要素を拡充していくのはすばらしい考えだと思います。ただ、釈迦に説法かもしれませんが、SNSサイトは現在、網羅しきれないほど乱立しており、そのどれもが固定ユーザーの獲得に苦しんでいます。本当に必要な機能を絞り込んだうえで、導入の敷居が低い設計にすることが肝要になってくるものと思われます。

>小島愛一郎さん
なにぶん、初トラックバックだったため、いまいちやり方がわからず、設定に間違いがあったかもしれませんが、リプライしていただけて大変うれしく思っています。ありがとうございます。

本棚機能が「交換」という行為を考えたときにに本質的に必要じゃないのは確かですね。ただ、エントリーが説明不足で申し訳ないのですが、本棚機能の魅力はビジュアル的な要素よりも、むしろ自分の欲しているもの、所有しているものを『ビブリー』という枠を超えて、ウェブ全体に公開できるようにしたことにあり、その要素は単体でも切り売りできるだけの魅力を備えたサービスであると思います。

ユーザーの選別は、おっしゃるとおり、追加されるべき要素だと思います。また、書籍の価格差についても、エントリーには書きませんでしたが、数多くの不安要素のひとつとして、僕も考えていました。市場に流通している本の場合、その価格が明確なため、どうしても価格差を意識してしまいます。また、市場に流通している場合は、交換という手段を選ぶよりも購入してしまうほうが手早いので、そちらに人が流れてしまいます。そうすると、運営さんの言うとおり、交換というものに付随する満足感や連帯感という付加価値を重視する必要が出てきます。そこで、SNS的な要素が必要となってくるんだと思います。
あるいは、例えば、絶版本や期間限定、イベント限定など、一般的なルートでは流通しておらず、値段のつけられない品物ならば、交換という手法に、真の価値が出てくるでしょうね。
2007/07/26(木) 05:14:16 | URL | 310 #-[ 編集]
はじめまして。
私も昨日Bibulyを利用し始めました。
登録前は「これ使える!」と食いついたのですが、実際に本の登録作業を行って行くうちに、そうでもないような気が…
310の記事を読んで、そうだよなぁと納得しました。「魅力<面倒」なんですよね。

私も課題とまでは行きませんが、気になった点をいくつかブログに挙げてみました。殴り書き程度なのでお恥ずかしいのですが。
2007/07/26(木) 23:14:59 | URL | 読瀬 #5Qkd.16Y[ 編集]
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