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[書評]ずれ~永遠のブレーキ~
このごろ週に2日は東京都内に出ているのだが、
用事をすませて、ぼーっとした頭を帰りの電車のシートにもたれかけていると、、
ふと、不思議な世界に迷い込むことがある。

電車は老人や子供が転倒しないように細心の注意を払って、
長い距離をかけて、ゆっくりゆっくりブレーキするわけだが、
そうして、慣性の法則に従って進行方向に体を引っ張られ続けていると、
「あれ?今ってもう完全にブレーキし終わってる?」
なんて思ったりすることがある。
すると、慣性の力が働いていないのにいつまでも体を傾けているのは変だ、と考えて、
あわてて体勢を立て直そうとするのだが、
実は、電車はその間にもブレーキをかけ続けていて、
本当に電車がピタッと止まった時に、
勢いあまって隣に座っている見知らぬ他人の肩に寄りかかることになる。

このブレーキがかかり続けている時間と、
その慣性になれてしまって、ブレーキがかかっていないと思い込んでしまっている時間、考えてみれば、二つの世界は錯覚が生み出した異次元ともいえるのではないだろうか。

そんなふとした瞬間に、誰にでも訪れるずれた感覚を、
巧みにホラーテイストに仕立てたのが、『ずれ』というネット小説だ。
当然、ネット小説だからタダである。
が、そこらの市販されているホラー小説よりよっぽど怖い。
保障する。もとい保証する。

先ほど紹介した電車や、その他の例にもれず、
私たちは、通常、簡単にずれた世界から戻ってくることができる。
なぜなら電車は永遠にはブレーキし続けない。
しかし、ずれがそのまま通常の状態として機能しつづけてしまったら、どうなるか。
そのときには、自分も、この小説の主人公のように、
「世界とはそんなもんだ」と呟くしか出来ないのだろう。


HP: 狂気太郎より 『ずれ』
http://www.h5.dion.ne.jp/~madtaro/slippage.htm
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